後日
伊角が目を覚ますと伊角の腕の中にはスヤスヤとヒカルが眠っていた。
ヒカルの言葉通りあれからずっとヒカルと伊角はイチャイチャしていた。
伊角はヒカルのおでこにくっついている前髪を軽くかき上げチュッっとおでこに軽く口づけた。
よぼど疲れているのかヒカルが起きる様子はない。
裸のまま抱き合っている所為でヒカルの肌が目に飛び込む。
伊角は思わず顔を緩ませる。
ヒカルの白い肌に咲くいくつもの紅い印が自分のモノという証拠みたいで嬉しいのだろう。
そして伊角はヒカルを抱き締め直し再び眠りに落ちた。
『お腹すいた。』
身体を動かそうとするが動かない。
ヒカルがゆっくりと瞼を上げると目の前には伊角の顔があった。
眠っていても整った顔つきがかなりかっこ良いらしくヒカルは暫く見惚れてしまった。
そして自分が伊角に抱き締められている所為で動けない事を理解するのに数分かかった。
そしてお互いまだ裸だということに気がつき伊角の体温に今更ながらドキドキするヒカルがいた。
もぞもぞする感触から伊角も目を覚ました。
「おはよう進藤。」
「はよう・・・伊角さん。」
頬を紅く染め照れるように挨拶をするヒカルが可愛くて伊角は抱き締める腕を強める。
そんな伊角の行動が嬉しいのかヒカルも伊角の胸に擦り寄った。
「ねぇ伊角さん。お腹すいた。」
甘い雰囲気を打ち破ったのはやはりヒカルであった。
「そうだな・・・何も食べないままずっとしてたもんな。」
「伊角さん!!!」
「本当のことだろ。」
「そうだけど・・・恥ずいって。」
「そうか。」
「そうだよ。」
伊角は服を取りベッドから降りたがヒカルはジッとまだベッドに横たわっている。
「進藤?」
「伊角さ・・・ん立てない。」
泣きそうな顔で伊角を見つめるヒカルに思わず伊角の顔はにやけた。
「なんで笑うのさぁ・・・伊角さんのせぇだろぉ。」
「ごめんごめん。」
伊角はベッドに腰かけヒカルの頭を撫で腰を撫でた。
「無理させちゃったな。」
「ん〜ん。」
ヒカルはその言葉に軽く頭を横に振った。
「いいの。気持ち良かったんだから。」
「そうか。」
ヒカルの率直な言葉に伊角は優しく笑った。
「それに・・・」
「それに?」
「伊角さんが生まれた日にずっと俺といてくれたから・・・嬉しいからいいの。」
ヒカルの言葉に伊角は自分の体温が上昇するのがわかった。
伊角は身体に力の入らないヒカルに服を着せた。
「大丈夫か?」
伊角の気遣いが嬉しくてヒカルは目の前にある伊角の薄い唇をペロッと舐めた。
「進藤・・・。」
呆れた口調で伊角が呟く。
「へへぇ。大丈夫だよって言いたかったんだ。」
「今日はゆっくりと寝るつもりなんだからあんまり挑発するなよ。」
そんなことをサラリと言ってのける伊角にヒカルは思わず赤面した。
明日からはまた戦いの日々が続く。
勝負の世界に生きるということはとても困難だ。
そしてお互い会えない日々がまた続くのだ。
それでも二人が想い合っていることに変わりはない。
終了
平成15年4月19日