ほろ酔い 緒方×ヒカル
――――― ピンポーン
緒方が、のんびりとワインを片手に棋譜を並べているとチャイムが鳴った。
「あ〜、誰だ?」
「緒方先生、俺、俺。」
「なんだぁ、俺々詐欺かぁ。」
「ぶぅ〜違いますぅ〜進藤ヒカルでっす。」
確実に酔っている様子のヒカルに溜息を吐きながらも緒方は玄関を開けた。
「お〜がた先生♪」
「ったく、お前鍵持ってるだろ。」
玄関を開けた瞬間、抱きついてきたヒカルを支えながら緒方は前髪をかき上げた。
「緒方先生に出迎えてもらいたかったの。」
「だいぶ飲んでるな。」
「飲んでない。ほろ酔いだって。」
どう見てもヒカルの酔い方は、ほろ酔いではないのは確かだった。
「ん〜、緒方先生。」
「なんだ。」
緒方は、ヒカルの靴を脱がせて抱き付かれたまま移動していた。
そして、そのままソファーへと座る。
「俺ね、今ね、すんごい気分よいの。」
「だろうな。」
緒方は、酒の所為か潤んだ眸で自分を見つめてくるヒカルの髪を指で梳いていた。
そして、もう片方の手は、ヒカルの柔らかい頬を撫でていた。
ヒカルは、心地良いのかその手に擦り寄る。
「緒方先生。」
「なんだ。」
「緒方先生、だ〜い好きぃ。」
「俺は、愛してる。」
緒方の言葉にヒカルは、嬉しそうに笑って自分から緒方の唇に自分の唇を重ねた。
触れるだけの幼い口付けだった。
「・・・俺も、愛してるよ。」
唇を離してヒカルは、深く微笑んでそう言った。
その次の瞬間にヒカルの唇が緒方の唇によって激しく塞がれたのは言うまでもないだろう。
終了