寂しがりや 伊角×ヒカル

 

 

ヒカルは、伊角と二人っきりになるといつも伊角のどこかに触れていた。

「進藤」

「なに」

今ヒカルは、伊角の足の間にいる。

伊角の胸にヒカルの背中をつけている。

伊角の腕はヒカルの腰に回され伊角は顎をヒカルの肩に乗せていた。

「次のページにいこうよ」

「まだ読めてない」

「進藤、読むの遅くない」

「え〜、普通だよ」

二人で一緒に囲碁の雑誌を読んでいる。

ヒカルは、伊角の体温が好きだ。

熱くもなく、冷たくもなく、ほんのりと温かい、そんな感じ。

「進藤ってさ」

「ん?」

「寂しがりやだよな」

「はい?」

「なに、自分で気づいてないのか?」

ヒカルは、体の向きを伊角と向き合うように変えた。

「なに、俺って寂しがりやなの?」

「そうだろうな」

ちゅうっと伊角は、ヒカルのおでこに唇で触れた。

「ふ〜ん、そうなんだ」

寂しがりやのヒカルを甘やかすのが大好きな伊角なのである。

「ちょっ、伊角さん」

「なに?」

「くすぐったい」

伊角は、唇でヒカルの顔中に触れていた。

「止めようか?」

ヒカルは、伊角の顔をジッと見つめ、そのまま首に腕を回した。

「ううん。止めなくていいよ」

読んでいた雑誌は、開いたまま床に置かれていた。

 

終了