年末(’02)年始(’03)

 

 

後一時間程で今年も終わり。

自分の家に進藤を招いて一緒にいようと思ってたのに。

否一緒にいることにはいるんだけど・・・。

 

「なぁ・・・進藤?」

「・・・。」

「聞いてる?」

「・・・。」

「なぁってば。」

「ん〜。」

 

悲しいことに進藤は年末恒例の紅白に魅入っていて俺の相手をしてくれない。

どんなに声をかけても聞こえてないのか返事も返ってこない。

たまに返ってきても曖昧な返事だし(泣)

進藤って一つのことに集中すると ま〜ったく俺の相手してくれないのな。

しょうがないから俺は進藤の横に座ってソファーにもたれた。

「何が面白いんだか・・・。」

俺の呟きは当然進藤の耳には入っていない。

俺ってば本当に愛されてんのか?

そんなことを思いながら進藤の横顔を見つめていた。

そしたらだんだんとTVの音が小さくなってきて完全に俺の瞼は降りた。

 

 

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「冴木さん・・・寝てるの?」

紅白終ったら初詣に行こうと思ってたのに・・・。

ていうか俺がいけないのか?

冴木さんと一緒にいるとどうしても安心しちゃって駄目なんだよな。

俺のこんな性格にも呆れないで一緒にいてくれるし。

 

 

俺って愛されてるよな。

 

 

んぁ〜なんか俺も眠くなってきた。

「毛布毛布っと。電気も消したしTVも消してっと。」

冴木さんって寝顔もかっくいいんだよな。

 

 

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この状況はどういうことなんだろうねぇ。

俺と進藤が一枚の毛布に包まってるよ。

しかも俺無意識に進藤抱き締めてるし(苦笑)

進藤も進藤で大人しく俺の胸に擦り寄ってきてる。

 

ん〜かなり嬉しい状況だ。

昨日の悲しさが吹き飛ぶくらいかな。

 

「さ・・えき・・・さん。」

 

ん?進藤起きたのか?・・・寝言か・・・っておい。

 

進藤の腕が俺の背中にまわっって

 

 

ギュウって

 

 

ギュウって

 

 

俺を抱き締めた。

 

本当に愛しくて愛しくて俺は進藤にソッと囁いた。

「ねぇ光二って呼べよ。」

「ん〜・・・こう・・じぃ。」

 

ま・まさか本当に言うなんて。

しかも眠ってるのに俺の名を呼んだ瞬間 進藤は笑顔になったんだ。

これはもういくっきゃないでしょう。

 

 

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「ん・・・んぅ・・。」

目を覚ましたヒカルは冴木の背中をドンドンと叩いた。

しかし冴木はその行為を止めようととはしなかった。

角度を変える為に一瞬離された唇 ヒカルは空気を求めて閉じていた唇を開いた。

「んぁ・・ん―・・ふぁ・・ぁ」

その隙を見逃さず冴木はヒカルの口内に侵入した。

深く深く冴木はヒカルを堪能した。

 

 

銀の糸を引きながら冴木は名残惜しそうに離れた。

「いきなりなにすんのさ。」

ヒカルの言葉にも冴木はニコニコとしている。

「明けましておめでとう。」

そして今度は優しく頬に唇を寄せた。

「そういうことじゃなくて・・・まぁいいか。明けましておめでとう。」

ヒカルは冴木を自分から引き剥がす。

「ねぇ進藤。」

冴木は自分の頬をちょんちょんと指でさした。

「・・・しなきゃ駄目?」

「昨日かなり寂しい想いしたしねぇ。」

この言葉が効いたのかヒカルは冴木に近づき頬に唇を寄せた。

そして離れ際ソッと呟いた。

「今年も宜しくね・・・光二さん。」

その言葉を聞いた瞬間冴木はヒカルの腰に腕をまわし強く抱き締めた。

「あぁ宜しくな。」

 

 

 

 

どれくらい抱き締めあっていただろう。

「ねぇ冴木さん。初詣行かない?」

ヒカルがそう言うと冴木の手がモゾモゾと動き出した。

「ちょ・・冴木さん。」

「また元に戻ってるな。名前で呼んでよ。」

「んぁ・・あ・・どこさわ・・・初詣・・は?」

「いつでも行けるだろ。」

抵抗虚しくヒカルは冴木によって押し倒されすでに脱がされていた。

 

 

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俺を求めてくれる進藤に昨日の言葉は訂正しないとな。

 

俺ってば本当に愛されまくり。

だから今年もたくさん愛し合おうな・・・ヒカル。

 

 

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だぁ〜なんで新年早々こんな・・・こんな激しいことされてんの俺?

確かに気持ちいいけどさ。

だぁ〜違うちがうってぇそんなこと言いたいんじゃなくて・・・そのぉ・・・。

 

だからさ― 俺も愛すから俺を愛してよ・・・光二。

 

 

終了

平成15年1月11日