当日
律儀にも言ったことを守るべく伊角は十二時少し前にヒカルの家の玄関に着いていた。
こんな夜遅くにチャイムを鳴らしていいものかと悩んでいる内に十二時がきて玄関の戸が開いた。
その隙間からひょこっと顔を出したのは身支度万端のヒカルだった。
「終電に間に合わなくなる行こう伊角さん。」
「ま・・・まて親御さんに挨拶を。」
「もう二人とも寝てるよ。」
ヒカルは伊角の腕を掴み歩き出した。
伊角の家に到着する頃にはもう完全なる夜更けだった。
「御邪魔します。」
ヒカルは軽く御辞儀をして丁寧に靴を揃えて伊角の家にあがった。
その以外にも礼儀がちゃんとしているヒカルが普段のヒカルからは想像もつかなくて伊角は少々驚いた。
「何?」
そんな伊角に疑問の目を向けるヒカルの目がどこか艶を含んでいるように見えた。
「なんでもないよ。それよりもどうするんだこれから。」
伊角の言葉にヒカルは黙り込んでしまった。
ヒカルは暫くの間考え込んでいた。そして意を決したのか頬を紅く染め伊角のすぐ傍まで近寄った。
そして伊角の服の袖をちょんと摘み引っ張り上目使いに首を傾げながら誘った。
「一緒にお風呂に入ろ。」
その言葉に伊角は固まった。
確かにヒカルがお風呂に入るかもしれないと沸かしてはいる。
「ねぇ伊角さん入ろ。」
ヒカルの甘い誘いに断わる理由も無く伊角は仕方がないと言うようにヒカルの手を握った。
二人は手を握ったまま浴室に到着。
ヒカルは伊角に向かって囁いた。
「伊角さんに脱がせて欲しい。」
伊角はいつになく大胆なヒカルの行動に不思議な感覚を覚えつつ言われるがままヒカルの服に手をかけた。
一枚一枚脱がせていく度に白い肌が露になる。
いつもは性急に取り乱すように脱がせていくのだが今回は行為の最中の出来事ではないのでじっくりと脱がせていた。
ジーンズのチャックを下におろそうとした時不意にヒカルの腕が伊角の首に廻された。
その可愛い動作に伊角は口元を弛めながら器用にジーンズを脱がした。
「あいかわらずジーンズの下は何も穿いてないんだな。」
ツツっと伊角の指が双山の谷間を撫で上げる。
ヒカルはビクっと身体を反応させ伊角の首に廻している腕に力を込める。
「伊角さんの服俺が脱がせてもよい?」
ヒカルは伊角の身体から離れ服の中に手を入れた。
背の低いヒカルにとって自分よりもかなり高い伊角の服を脱がせるのは困難だ。
それでもヒカルはゆっくりと時間をかけて普段隠れている伊角の逞しい身体をうっとりと見つめながら脱がしていった。
「・・・・・。」
ヒカルがズボンを脱がすところまできたところで伊角はヒカルに囁いた。
その囁きにヒカルは顔を真っ赤にさせた。
伊角にいたっては裸のヒカルが一生懸命自分の服を脱がそうとしている姿が楽しくて仕方ないといった様子だ。
「伊角さんそれやると嬉しいの?」
「かなりね。」
伊角が笑顔でヒカルの頭を撫でた。本当は別のいろんなところを撫でたいのだがそこは我慢の伊角だ。
伊角さんが喜ぶのならとヒカルはしゃがみ込みズボンのチャックを口で開け始めた。
「これぇふぃふぃひょ。」:これでいいの
チャックを口に咥えたまま上目使いに伊角を見つめるヒカルはなんとも叙情的だった。
お風呂に入った二人は当然の如く洗いっこをした。
まずは伊角が進藤の髪の毛を洗い 次にヒカルが伊角の髪の毛を洗った。
そして次に伊角がヒカルの身体を洗い始めた。
まずは足、腕、そして胸のあたりにきたところでヒカルが声を漏らす。
「んぅ・・・伊角さんくすぐったい。」
「くすぐったいだけ?」
伊角の両手は胸の二つの紅い実を包み込んでいた。
「やぁ・・そこ・・・ぁぁっ・・・」
徐々に固くなっていくそこを伊角は執拗に洗った。
泡だらけになったヒカルはゆっくりと伊角抱きついた。
「今度は俺が伊角さんを洗ってあげる。」
ヒカルは伊角の腕を抱き締め自分についている泡で洗い始めた。
胸は自分の胸を摺り寄せ身体を上下させながら洗った。
太股や脹脛などの足は自分の足で挟みこみ摺り寄せた。
その度にヒカルのあそこは擦られ敏感にも反応していた。
「もういいよ進藤。」
伊角に腕をとられヒカルの唇は塞がれた。
我慢出来ないとでも言うように伊角の舌がヒカルの口内を犯していく。
そして待ちきれないとでも言うようにそれに応えるヒカルの舌。
クチュクチュと淫らな響きが浴室に反響していた。
お湯に浸かりながらも二人の身体は密着していた。
「そろそろあがろうか。」
「はぁぁ・・・んぅ」
下の口に埋め込まれていた数本の指が抜かれ思わずヒカルは鳴いた。
伊角に抱きかかえられヒカルは寝室へと運ばれた。
ベッドに埋まりながら伊角はヒカルの首筋を軽く音をたてて吸った。
首筋が弱いヒカルにとってそれだけでもかなりクル。
それをわかっている伊角は執拗にそこに舌を這わし歯をたてた。
「やぁ・・・伊角さん・・・そこばっか・・・」
ヒカルの抗議の声に伊角はクスリと笑う。
「なに?進藤はどこを触って欲しいの。ここかな?」
伊角はそのまま舌を這わしながら赤い実に到着した。
すでに固くなっている実はプニプニと己を主張していた。
片方の実を舌で転がし もう片方の実は手で指で転がした。
「い・・すみさぁん。そこもきも・・ちぃぃんぁぁん・・いいんだけど・・・ふぁん」
「なに?ちゃんと言ってくれないとわからないよ。」
いぢわるく伊角はチュっと軽く実に口づけそして深く唇を貪った。
どちらかさえわからない唾液を垂らしながらぐちゃぐちゃに口づけあった。
「お願い伊角さん。」
「ん?」
「ねぇ・・・お願い。」
「ちゃんと言ってごらん。そしたらちゃんと気持ち良くさせてあげるよ。」
伊角に囁かれるままヒカルはして欲しいことを口にした。
「俺の・・・おちんちん触ってぇ・・・弄って咥えて舐めてぇ・・・」
よほど恥ずかしいのだろう赤く染め上がった身体が更に深い赤へと変化した。
そしてヒカルのご希望通り伊角は本日初めてヒカルのおちんちんを触った。
先走っている雫を舌で舐め取りくりくりと指で刺激し口の奥にまで咥え込んだ。
「はぁぁぁ・・・ぁぁん・・いす・・みさぁぁぁん・・きもち・・いいぃ・・はぁっん・・・」
そしてヒカルは伊角の口の中で果てた。
「自分だけ達しちゃってずるいな。」
「だってぇ・・・」
「そんなに気持ち良かった?」
ヒカルは伊角の胸に抱きつき頷いた。
「なぁ進藤。次はどうして欲しい?」
いつもの優しい声と笑顔で伊角は微笑んだ。
こういう笑い方をする伊角に反論しても無駄だとヒカルはわかっている。
ヒカルは伊角の手を取りペロリと指を咥えた。
一本一本唾液が染み込むように丹念に舐め上げる。
そしてその手を掴み自分の秘所へと導いた。
「ここも弄って・・・ふぇ・・・・ぁっぁん」
伊角はヒカルの言葉が言い終わる前に一度に二本の指を挿入させた。
「ほらもう根元まで飲み込んでる。進藤って可愛い顔して淫乱だね。こんなにも締め付けて離さない。」
伊角は侵入させた指を中でぐちゃぐちゃと掻き回しながらヒカルの気持ち良いところをわざと外していた。
もどかしい感覚にヒカルは腰を揺らす。
「進藤・・・ちゃんと口にしろってさっきから言ってるだろ。」
潤んだ瞳で伊角を見つめながらヒカルはゆっくりと口を開いた。
「欲しいの。」
「何を?」
「お願いぃ・・・もうじらさないでぇんぅ・・伊角さんのおちんちん・・・で俺の中をいっぱいにしてぇ・・・」
伊角は普段ならどんなに言わそうとしても言ってくれない言葉を今日は素直に口にしてくれる進藤が可愛くて堪らない。
「それじゃご希望通りいくぞ。」
ヒカルの中にズブズブと伊角のおちんちんが挿入されていく。
「くぅ・・・ぁぁはぁぁぁ・・・・・・んん・・はぁぁん」
そして伊角はヒカルの腰をつかみ激しく腰を揺らした。
そうして今度は二人揃って果てた。
その後も何度も行為は繰り返された。
ヒカルが気がついたときにはもうお日さまは真上にきていて 伊角はヒカルを腕の中に閉じ込め頭を撫でていた。
ヒカルは伊角の胸に擦りより口を開いた。
「お誕生日おめでとう・・・伊角さん。」
その言葉に伊角は少し驚いた表情をした。
「そういや今日俺の誕生日だったけ。」
そんな伊角を呆然と見詰めヒカルは笑い出した。
「ハハハ何伊角さん自分の誕生日忘れてたわけ。」
ヒカルの笑い声は伊角の口づけによって止められた。
「それにしても だから昨日の進藤はあんなにも淫らで素直だったわけだ。」
その言葉でヒカルは夜のことを思い出したのか身体中を真っ赤にさせた。
「俺としてはいつもあれぐらいだと嬉しいんだけどね。」
「いつもああだとありがたみがないだろ。」
照れ隠しなのがバレバレの言葉に伊角が本当に嬉しそうに楽しそうに笑った。
「さて俺の今日一日は進藤のだけど どうするこれから。」
ヒカルに主導権を握らす言葉を口にしながら伊角の手をある意味を持ってヒカルの肌を吸い付くように動いていた。
「今日は一日やりまくろうか。」
ヒカルの言葉に伊角はニッコリと微笑んだ。
「おおせのままに。」
こうして伊角の誕生日のこの日はかなり濃くて幸せな一日となった。
終了
平成15年4月18日