胸きゅん:イタチ×ナルト:現パロ
いつもと変わらない日常の中でナルトは、嬉しい情報を耳にした。
「サスケぇ」
高校生になってもナルトは、あまり落ち着きがない。
同じ高校に通う幼馴染みのサスケのクラスにナルトは、飛び込んだ。
ポーカーフェイスを決め込むサスケは、ジッとナルトを見て視線を逸らした。
「無視すんなってサスケ」
無視すれば更にナルトがしつこく近づいてくることをサスケは、重々承知していた。
「・・・なんだ」
ぶっきらぼうに答えているが内心は、ナルトと話せて嬉しいと思っているサスケなのだ。
「兄ちゃん、イタチ兄ちゃん、こっちに帰ってくるんだってば?」
「なんでお前がそれを知ってるんだ」
サスケの眉間に皺が寄った。
「朝、父ちゃんと母ちゃんが話してたってばよ」
それって本当か、とナルトは、サスケに更に顔を近づけた。
近寄るなとばかりにナルトの近寄ってきた顔を手で押し返すサスケだが実は、照れているのだ。
傍から見れば嫌がっているようにしか見えない。
「あぁ、本当だ」
「そうなんだぁ。イタチ兄ちゃん帰ってくるんだぁ」
そうか、そうかとナルトは、それはもう嬉しそうに笑っていた。
それに対して面白くないのがサスケだ。
イタチは、高校・大学と海外に行っていた。
小さい頃二人は、よくイタチに遊んでもらっていたのだ。
そしてナルトは、イタチに懐いていた。
「お前」
「なに?」
大きな青空を映したような眸をキョトンとさせてナルトは、サスケの呼びかけに首を傾げた。
『・・・可愛過ぎだろ、おい』
まぁ、サスケの心の声は置いといて。
「イタチは、俺の兄さんだ」
「知ってけど」
「だから、お前が兄と呼ぶな」
「ぶぅ〜なんだよ、それぇ。昔から呼んでんだからいいじゃねぇか」
ナルトは、柔らかそうな頬をぷくぅと膨らませた。
「駄目だ」
サスケは、実はナルト以上に我儘だ。
一度自分が決めたことは、それを他人にも強要することがある。
それが今だ。
「なっ、サスケってばひどいだろ」
ナルトは、学校の帰り道、これまた幼馴染みのシカマルに今日の出来事を話していた。
「俺ってば、イタチ兄ちゃんのことなんて呼べばいいんだよ」
ナルトは、手を頭の後ろで組んでググッと背中を伸ばした。
「イタチさんでいいんじゃね。じゃ、俺こっちだから」
「あんだよ、そっけないなシカマル」
「あの兄弟に関わるとろくなことがないからな」
「そっかぁ?俺は、楽しいけどな」
「まぁ、お前はな」
「なんだよ、それ」
「深く考えるな、頭痛くなんぞ」
「考えねぇよ」
「だろうな」
いつも通りに笑い合って二人は、じゃ、と手をあげた。
ナルトは、歩きながら練習をしていた。
「ん〜イタチさん、イタチさん・・・イタチ、さん」
後からサスケが煩いのでナルトは、絶対にそう呼ぶと決めたのだ。
「やっぱ、なんか照れるよな。七年ぶりだもんなぁ」
ナルトは、イタチの姿を思い出しながら顔の表情は、それはもう緩めていた。
「イタチさん、イタチさん、イタチさん」
そう連呼していた次の瞬間だ。
「なんだ、ナルト」
いきなり耳音で低音が響いた。
「うきゃ!」
ナルトは、変な声を出しながらビクッとしてその場に立ち止った。
そして、ゆっくりと顔を横に向けた。
「・・・イタチ、さん?」
ナルトは、驚いてた。
「そうだよ、ナルト。大きくなったね」
「でかくなったのは、イタチ、さん・・・もだってば」
ナルトの横に立つイタチは、七年前よりもずっと背が伸び整った顔が更に格好よくナルトには見えた。
七年ぶりにイタチが実家のある此処に帰ってきたのは、全てナルトに会うためだ。
実家を離れて七年、イタチはしっかりと自立していた。
両親との約束で自分一人でやっていくようになれるまでナルトとは会ってはいけないことになっていたのだ。
イタチの中で既にナルトは、自分の嫁になっているのだ。
勿論、ナルトの意思など聞いてはいない。
しかし、そこはイタチ、既にナルトの両親とも話をつけていた。
ナルトが幸せになるならと、ナルトの両親は(父は渋々)イタチにナルトを任すことを決めている。
そんなナルトラブのイタチが、ナルトを見つけた。
「イタチさん、イタチさん、イタチさん」
しかも、自分の名前を連呼しているではないか。
もうイタチは、胸きゅんだ。
青年になっても小さい頃以上に可愛らしいナルトをイタチは、それはもう優しく抱きしめた。
「イ、イタチさん?」
「もうイタチ兄ちゃんでは、ないんだね」
「・・・サスケがそう呼んだら駄目って」
「ほぉ、あの愚弟もときにはいいことをするな」
『あの呼び方も結構グッとくるんだがな』
「?」
「ナルトは、どう呼びたい?」
イタチは、ナルトを自分の腕に閉じ込めたままナルトの頬を両手で包み顔を自分に向けさせた。
「・・・イタチ、さん」
ふんわりと照れながら唇を動かし自分の名を呼ぶナルトにもうイタチは、胸きゅん、きゅんだ。
ナルトは、へへぇと笑いながらギュウッとイタチに抱きついた。
「イタチさん、もうずっとこっちにいるの?もうどこにも行かないってば?」
「あぁ、ナルトの傍にいるよ。ナルトも俺の傍にいてくれるだろ」
ナルトは、大きな眸をパチパチさせながらイタチを見つめた後、満面の笑みを見せた。
「離れたいって言っても離さないよ」
イタチのナルトへの執着は、サスケ以上なのだ。
そんなイタチの執着に気がつかないナルトだが、イタチがこれからずっと傍にいてくれることが嬉しくてしょうがない。
今日、この日からナルトとイタチのラブラブな日々が始まるのだ。
終了
平成23年9月17日
サスケ完敗です(^^)
小さい頃からナルトとイタチは、両想い♪