唐突と不意打ち:我愛羅×ナルト

 

 

我愛羅の後ろを歩くナルトが不意に我愛羅の袖をちょこんと摘まみ引っ張った。

それに反応した我愛羅は、足を止め振り返った。

「どうした?」

感情の読めない我愛羅の声がナルトの耳に流れ込んでくる。

暫く黙っていたナルトだったが、意を決して顔を我愛羅に向けた。

 

「俺、我愛羅が好き!・・・好きだってばよ

 

最後の方がの語尾が小さくなっていったことに我愛羅は、薄く微笑んだ。

唐突なナルトの言動は、いつものことで我愛羅は、慣れてきていた。

「知ってるが」

我愛羅のその言葉にナルトは、顔を下に向けた。

「へへぇ、知ってるならいいんだってば」

ナルトは、顔を下に向けていたが耳や首筋まで色づけていた。

顔を下に向けているナルトの耳元に近づくように我愛羅は、腰を曲げた。

先程とは、違う穏やかでどこか艶のある我愛羅の声がナルトの耳のすぐ傍で流れ込んできた。

 

「俺は、お前の全てを奪いたいほど愛してる」

 

熱い想いが吐息となってナルトの耳に流れ込んだ。

我愛羅の不意打ちにナルトは一瞬動きを止めた後、流れ込んできた方の耳を押さえ顔を前に向けた。

「な、な、なにを///」

「本当のことだが」

「・・・これ以上俺からなにを奪うんだってばよぉ」

ナルトは、恥ずかしさから涙目だ。

「言っただろう。全てだ、と」

「そんなの・・・」

「無理なのは、重々承知している」

「我愛羅」

ナルトが、少し切なそうに我愛羅の名を呼んだ。

「そんな顔をさせたいわけじゃない」

「我愛羅」

「なんだ」

「俺だって、俺だって我愛羅の全てが欲しいんだぞ」

顔を真っ赤にさせて真剣な顔で我愛羅に詰め寄るナルトの唇に我愛羅は、唇で一瞬だけ触れた。

「な、な、な、」

「酸欠状態の魚みたいだな」

ナルトは、真っ赤な顔で口をパクパクさせていた。

「今ここでお前に俺を注ぎ込みたい」

ナルトの頭のてっぺんから湯気が上りだす。

「いや、我愛羅それは、ちょっと、ここじゃ・・・」

「ふっ、冗談だ」

「ふぇ、あっ、なんだ冗談かぁ」

ホッとしたような表情の中に少し残念そうな表情を見せたのを我愛羅が見逃すはずがない。

「安心しろ。ここではしない」

「えっ、なに?」

我愛羅がナルトを引き寄せ、ナルトの腰に腕を回した。

「明日は、非番だろう、ナルト」

「お、おう」

「一日中、愛してやる」

「えっ、えっ・・・と、すんごい嬉しいんだけど、我愛羅、仕事は?」

「一日くらい大丈夫だ。そのために今まで休んでないんだからな」

「そ、そうか」

ナルトは、我愛羅にギュウッと抱きついた。

「お手柔らかにお願いしますだってばよ」

「この前は、少しキツかったか」

くっくっと笑いながら我愛羅は、ナルトの額に唇を落とした。

「・・・うん。でも、我愛羅を感じられたから」

「今日は、優しくしてやろうか」

「我愛羅の好きにしていいってば」

「そうか」

「おう」

ナルトが我愛羅に思う存分鳴かされたのは、言うまでもないだろう。

 

 

終了

平成231113

いやぁ、我ナル好きなんですよぉ。