どんとこい 7
幼稚園を卒園したらナルトは、父と一緒に遠い島へと引っ越す。
「「ナルト。」」
「お前引っ越すって本当なのか?」
「本当だってばよ。」
「遠いのか?」
「ん〜っとね、電車と飛行機と船で行くんだって。」
今住んでいる地域からは随分と遠いところだ。
「「行くな。」」
シカマルとシノは、同時にナルトの腕を掴んだ。
ナルトは、二人を交互に見ながら寂しそうに笑った。
「二人と別れたくないけど無理だってば。」
そうまだまだナルトは小さくて父について行くしかない。
「それに、俺父のこと好きだしさ。」
この頃、ナルトの両親は別居していた。
まぁ、それは円満な感じの別居でナルトも不自由はしていない。
「母の方には残れないのか?」
シノの言葉にシカマルも頷く。
「父は、仕事以外なんも出来ないってば。」
ちなみに幼稚園児でありながらナルトは、家事全般すべてをこなせる。
「でも、二人と離れるのは寂しい・・・ってばよ。」
下を向いてしまったナルトの大きな蒼い眸からはボロボロと雫が溢れていた。
「ナルト。」
「泣くな、ナルト。」
「そうだ、約束しようぜ。」
「約束?」
流れる雫をそのままにナルトは顔を上げた。
「大きくなってもう絶対離れなくてもいい時にまた会おう。」
「また、会える?」
「あぁ、絶対会えるさ。」
シカマルの提案にナルトもシノも小指を差し出した。
――――― 指きりげんまん嘘ついたら針千本のーまっす、指きった
「シノ。」
「なんだ。」
「抜け駆けは、無しだからな。」
「あぁ。」
そして、シカマルとシノも別々の小・中と進んだのである。
余談だが、二人とも飛び級できるくらいというかもう中学生で大学に籍をおいている。
では、なぜ二人は、普通に学校に通っているのか。それも全てナルトに出会うためである。
「絶対会えるから、連絡先は教えないってばよ。」
ナルトが笑顔でそう言って旅立って行ったからだ。
既に小学校時代から大学や研究機関から誘いが来ていた。
あまりにしつこいので中学の時に籍だけおいたのだ。
シノに至っては中学でナルトと再会して愕然としたのだ。
なんてたってナルトは、自分のことをまるっきし憶えていなかったのだから。
しかし、ナルトの記憶はなぜ消えてしまっているのだろうか。
続
平成16年11月11日