ほろ酔い 我愛羅×ナルト

 

 

夜風に当たっていたナルトの横に我愛羅がいつの間にか立っていた。

 

「ばっちゃんから解放されたってば?」

「あぁ、興味が他に移ったらしい。」

 

部屋の中を見れば、火影である綱手が手当たりしだいに絡んでいる姿が見てとれた。

そのままナルトは、我愛羅に視線を移す。

風影となった我愛羅をナルトは、素直にすごいと思っていた。

そして、距離が広まってしまったとも同時に思った。

 

「どうした?」

 

ナルトは、あまり背丈の変わらない我愛羅の肩に自分の額を乗せた。

 

 

会いたい。

触れたい。

声が聞きたい。

 

我愛羅を感じたい。

 

 

それは、ナルトが我愛羅に会えない間に思うことだ。

 

「久しぶりだってばね。」

「あぁ。」

 

短い返事が我愛羅らしくてナルトは、それだけで嬉しくなる。

ナルトは、我愛羅の肩に額を乗せたまま我愛羅の手を手に取った。

そして、指と指を絡めていく。

 

「なにをしている?」

「んっ、距離を縮めてるってばよ。」

 

ほろ酔い気分のナルトは、いつもよりも素直で大胆になっていた。

 

「我愛羅との間にある空気さえ邪魔だってば。」

 

ナルトは、部屋の中に皆がいるにも関わらず我愛羅に抱きついた。

 

「酔って、いるのか?」

「・・・かもな。」

 

ナルトは、我愛羅に向かって鮮やかに笑って魅せた。

 

「ナルト。」

 

そう囁いて我愛羅は、自分に抱きついているナルトを抱き締め返した。

 

「我愛羅。」

 

我愛羅の声に匂いに感触にナルトは、酔っているようだった。

そして、我愛羅もまたナルトの声に匂いに感触に酔っているようだった。

 

「少し待っていろ。」

 

疑問符を浮かべるナルトをその場に置いて我愛羅は、部屋の中へと入っていった。

 

「寒いってばよ。」

 

ナルトは、我愛羅の体温が離れた身体を自分自身で抱き締め夜風を受けた。

 

「行こう。」

「へっ?」

 

我愛羅は、すぐに戻って来た。

そして、ナルトを抱き締めその場を後にした。

 

「が、我愛羅?」

「お前の家に行く。」

 

どうやら我愛羅は、先に休むと言いに行っていたらしい。

ナルトは、我愛羅に擦り寄り笑っていた。

 

「俺は、我愛羅が欲しいってばよ。」

 

我愛羅は、ナルトの額に唇を落とし囁いた。

 

「俺で満たしてやるから、覚悟しておけ。」

 

我愛羅の言葉にナルトは、嬉しそうに頷いた。

 

終了