傷 我愛羅×ナルト

 

 

見えない傷が二人の体の奥深くに刻み込まれている。

それには、他人には理解できない痛みが伴っている。

 

二人は、ずっと一人でその痛みを抱えてきた。

しかし、二人は出会った。

「我愛羅」

「なんだ」

我愛羅は、ナルトの体に跨りナルトを押し倒していた。

ナルトは、自分に近づく我愛羅の頬に自分の手で触れた。

そして我愛羅の顔を包み込み、軽く自分の唇で我愛羅の唇に触れた。

「不思議だってば」

我愛羅ににっこりと微笑むナルトの額に我愛羅は、唇を落とす。

我愛羅の眸は『なにがだ』と言っている。

「我愛羅の傍は、とても安心するんだ」

それは、我愛羅とて同じことだ。

「まだ時々、すごくこの奥が痛むんだ」

ナルトは、自分の胸辺りの服を掴み少しだけ顔を歪めた。

「だけど我愛羅にこうして抱きしめてもらうと、その痛みが甘くなる」

それも、我愛羅とて同じことだ。

ナルトは、我愛羅の首に腕をまわし、より我愛羅を自分に引き寄せる。

「我愛羅の傷は、ちゃんと癒されてるか?」

我愛羅は、ナルトに深く口付けていく。

「なぁ・・・はぁ・・・我愛羅」

答えを求めるナルトに我愛羅は、より深く息をも奪うように、だけど優しく口付けていく。

ナルトは、我愛羅にしがみつき、我愛羅は、ナルトを支える。

「ナルト・・・」

ナルトを解放した我愛羅は、ナルトの耳元で囁いた。

「黙って俺に愛されろ」

その言葉にナルトは、驚くと同時に歓喜の渦が身体中を駆け巡るのを感じた。

そしてナルトは、静かに頷き微笑んだ。

 

終了