寂しがりや 我愛羅×ナルト
寂しいという感情は、いつも二人の傍にあった。
それは成長しても二人に纏わりついて拭えないものだった。
「我愛羅ぁ〜、来たってばよ」
「ナルト、もう少し静かにできないのか」
「え〜無理」
風影となった我愛羅にあまり自由はない。
そうなると下忍であるナルトが会いに来るのが常だ。
下忍といってもナルトもそうそう暇ではない。
会いたくても会えない日々がずっと続いていた。
「なぁ、我愛羅。休憩しないのか?」
「後もう少しだ」
「そっか。俺ここで待ってるな」
「あぁ」
黙々と作業をこなす我愛羅をナルトは、クッションを抱えながら見つめる。
不思議なことに我愛羅の傍にいるだけでナルトから寂しいという感情が小さくなる。
どんなに信頼出来る仲間が出来ても拭えなかった感情が小さくなるのだ。
「不思議なんだよなぁ」
「なにがだ?」
我愛羅の手が止まり我愛羅は、立ち上がった。
そして、そのままナルトの横に座り、ソファの背もたれに背中をつけ顎を上げる。
そのまま目を数秒閉じるのは、少しだけ目を休めるためだ。
「お疲れ様」
「あぁ。で、なにが不思議なんだ」
ナルトは、抱えているクッションに顔を埋めながらチラリと我愛羅を見た。
「・・・襲って欲しいのか?」
「はぁ、なんでそうなんのさ?」
ナルトは、顔を赤らめながらクッションを我愛羅に投げたが当然軽く受け止められた。
「・・・なぁ、我愛羅」
「なんだ」
「寂しい?」
ナルトの問いかけに我愛羅は、暫し考えた。
「そうだな、お前に会えない日々は寂しいと思う時があるな」
我愛羅の答えにナルトは、口をあんぐりと開けた。
「なんだその顔は」
「いや、そのまともに答えてくれるとは思ってなくて」
「お前は寂しいのか?」
「我愛羅が傍にいると寂しくなくなるんだ」
「そうか」
「うん」
「会えない日々は、寂しいんだな」
「・・・うん」
我愛羅は、優しくナルトの頭を撫でる。
ナルトは、それが嬉しくて満面の笑みを我愛羅に向ける。
「寂しいけど会えると、その分すごく嬉しいからさ」
だから我慢するんだ、とナルトが笑うから我愛羅は、堪らず軽く自分の唇をナルトの唇に重ねた。
「ここでするのか?」
「ナルトがいいならな」
「嫌だ」
「だろうな」
我愛羅は、ナルトを軽々とお姫様抱っこして職務室から出た。
終了