素足 我愛羅×ナルト

 

お天道様が照りつける最中二人は、砂漠のど真ん中を歩いていた。

「あっつう!」

「当たり前だ。」

「マジに暑い!」

「お前は、此処を何処だと思っている。」

「え〜、『砂隠れの里』」

「わかっているなら黙れ。」

親切極まりない言葉を発する男は、さっさと先を歩く。

その後をそれでも黙らずに言葉にする男がついて歩く。

「なぁ、なんで我愛羅はそんな色白なんだってば?」

「・・・」

「こんなにお日様に照らされてんだからちょっとくらい黒くなるんじゃねぇの?」

「・・・」

「我愛羅ってちょっとでも焼くと赤くなりそうだってば。」

「・・・」

「あ!もしかして日焼け止めぬってんの?」

「そんなわけがないだろ。」

「だよな。」

「それよりお前もだろう。」

「俺?」

「あぁ。」

二人は、足を止めるでもなく距離を縮めるでもなくゆったりと歩く。

「まぁ、赤くなって後々痛いことにはなるってばよ。」

「だと思った。」

ナルトの前を歩いていた我愛羅がいきなり立ち止まりクルリと後に振り向いた。

「どした、我愛羅?」

首を傾げるナルトに我愛羅は、自分の腕を見せる。

ナルトがジッとその腕を見つめると薄っすらと表面が何かに覆われている。

「砂かぁ。」

「そうだ。俺は砂に護られている。だから、日焼けすることもない。」

「そっかぁ、便利だってばね。」

ナルトは、気がついている。

今、自分もその砂に護られているということを。

「おい、なにをしている。」

「ん〜、あちぃ!あち、あち、あち。」

「当たり前だ。熱いに決まっているだろう。」

「大丈夫かなって思って、やっぱし熱いってばね。」

両手に靴を持ってナルトは、砂漠に素足で立っていた。

ずっとその上に置いておくと熱いのでその場で駆け足をしている。

だが、次第にその熱さも消えていく。

「別に俺を護らなくても良いってばよ?」

ニッコリと笑って我愛羅を覗き込むナルトの両足は、もう砂に足がついている。

「お前は、この熱い砂漠をずっと素足で歩きたいのか。」

「どっちかっていうと熱くない方がいいってばよ。」

「ならば」

我愛羅は、身体の方向を元に変えてまた歩き始めた。

「ならば、朝方か夕方また来れば良い。」

その頃なら、日も落ちて砂の温度も下がっている。

我愛羅の言葉にナルトは、脱いでいた靴を履きながら暫し固まった。

だが、すぐにさっさと歩く我愛羅に追いついた。

「なぁ、なぁさっきのってデートのお誘い?」

「一人で行け。」

「え〜、我愛羅も一緒に行こうってばよ。」

「デートのお誘いか?」

「おぅ、そうだってばよ。」

意地悪のつもりで聞き返したのだが、素直に返答するナルトに我愛羅は微笑んだ。

そんな我愛羅を見てナルトも微笑んだ。

 

そうして、二人はまた一緒に歩き始めた。

 

終了