月見 シノ×ナルト
真ん丸お月様の光の真ん中に立って目を瞑ってごらん。
さぁ、次に目を開けた時、あなたの目の前には誰がいる?
誰にいて欲しい?
あなたの奥深くに眠る願いを叶えましょう。
真ん丸お月様が淡く輝くそんな夜にナルトは、窓から月の光を浴びていた。
ナルトの家の窓に数時間だけお月様が綺麗に全体が見える。
ナルトは、窓を開け月の光を家の中へと招き入れた。
「どこが真ん中だってばよ。」
ナルトは、首を傾げながらも真ん中だと思われる場所に立った。
そして大きく深呼吸をしてゆっくりと目を瞑った。
『どれくらいで開ければいいってば?』
ふとそんな疑問がナルトの頭に浮かんだ。
『シノにちゃんと聞いておけばよかった。』
ナルトに御伽噺を聞かせるようにシノは、それを教えてくれた。
「それって本当?」
「さぁな。」
嘘か真かナルトにとってそれはどっちでも良かった。
ただ、月があまりにも綺麗だったから・・・会いたくなっただけのことだ。
目を瞑っていても月の光は、瞼の奥を薄っすらと照らしていた。
『ん?』
しかし、目を瞑って数分経ったくらいだろうか、その光が遮断された。
『雲?でも雲一つなかったしな。』
あなたの目の前には誰がいる?
誰にいて欲しい?
ナルトは、目を開けた。
窓に月の光を遮断している影が見えた。
月の光で影になりはっきりと顔が見えないがナルトは、迷うことなくその名を呼んだ。
「シノ!」
シノは、軽やかな身のこなしで窓から床へ移動した。
「願いは叶ったか?」
シノの言葉にナルトは、ウンウンと顔を縦に振った。
「叶ったってばよ!」
そしてナルトは、シノに向っておもいっきり飛んだ。
シノは、ナルトを抱きとめそして抱き締めた。
二人の背後で月が笑ったような気がした。
終了