ブラザーシック
ロビンが歩いているとルフィがロビンに近づいて来た。
それに気がついたロビンは、足を止めた。
ルフィは、ロビンの前に立ち上目使いでロビンを見た。
「どうしたの、ルフィ」
ロビンは、いつものようにニッコリと微笑んだ。
いつもならルフィも笑い返してくれるのだが、今日は様子が違った。
「ルフィ?」
ルフィは、いきなりロビンに抱きついた。
ちょうどロビンの胸にルフィの顔が埋まる格好となる。
「やっぱり同じくらいだ」
「なにがかしら?」
ロビンは、元気のないルフィの頭を撫でた。
「エース・・・」
「エースってお兄さんよね」
ルフィは、ロビンの柔らかい胸の中で頷いた。
「ロビンの背の高さがさ、エースと同じくらいなんだ」
ルフィは、そう言って更に強くロビンに抱きついた。
「ブラザーシック、なのね」
ロビンは、ふふっ、と微笑んで再度ルフィの頭を撫でた。
「ブラ・・ブラザー、シック?」
顔を上に向けたルフィにロビンは、ニッコリと微笑んだ。
「ルフィは、お兄さんが恋しいのね」
「恋しい・・・そうなのかな」
ルフィは、ポスンッと顔をロビンの胸に埋めた。
「エースは、強くて優しくてそれに面白いんだ。時々恐くて強引だけどな」
「素敵な人なのね」
「おぅ」
「お兄さんが恋しくなったら、いつでもこうしてあげるわよ」
自分の胸に顔を埋めるルフィの頭をロビンは、優しく撫で続けた。
「ししっ、エースの胸は、こんなに柔らかくないけどな」
「ふふっ、ルフィはどちらがお好みなのかしら?」
「・・・エースがいい」
予想していたとおりのルフィの答えにロビンは、また微笑んだ。
その状態のまま暫くいるとルフィから寝息が聞こえてきた。
「あら眠っちゃったのね」
ロビンは、そのままルフィを支えるように座り込んだ。
つまりルフィは、ロビンの胸を枕代わりに眠っているということになる。
「こいつ・・・なんて羨ましい」
「あらコックさん、起こしちゃ駄目よ」
「くぅ(怒)」
「ルフィは、今センチメンタルなんだから」
「はい?」
ふふっ、と笑ってロビンは、本を読み始めた。
『夢で会えているといいわね、ルフィ』
終了
平成22年1月27日