音のない森 2
いつの間にか迷い込んだ深い森は
暗く湿ったまま止まった
いつの頃からか時折俺は、ふと気がつくとこの森にいた。
現実なのか夢・幻なのか。
暗く湿った状態のこの森は、とても深く混沌としていた。
只、一人存在しているかのような錯覚。
もしかしたら、自分も本当は存在していないかのような思考に陥る。
月を目指しているはずなのに、遠くなるばかりだ。
気が遠くなるほど歩いて、永遠に続くのだろうと感じ始める。
そんな時だ。
森に足を踏み入れた時と同じなのだ。
ふと気がつくと自分の知っている場所に立ち尽くしている。
あの森でないことに安堵感を覚える。
なのに、周りの雑踏がやけに耳障りだ。
身体の蟲たちが静かに存在している。
俺が、命を与えない限り行動を起こさないようにチャクラで制御している。
ずっと、そうやって生きてきたんだ。
なのに、
あの森では、それは必要なかった。
俺は、それを望んでいるのだろうか?
俺は、なぜあの森に招かれる?
それとも、俺自身があの森に行きたいのか?
あの森は、いつ俺が足を踏み入れてもいつも暗く湿ったままだ。
目指すものに近づけず、時間が流れているかどうかさえわからなくなる。
あの森は、俺にとってどんな意味があるのだろうか?
続
シノさん迷宮入りにご案内ってな感じです。