音のない森 3

 

 

苦しくて叫ぶ声 届かない 何を待つ?

蜘蛛の糸?青い鳥?救いを求め天を仰ぐ

 

 

今日も狂気に似た叫びが森のあちこちから聞こえる。

俺は、一際高い場所でずっとそれを聞いてる。

 

 

どうやら、あの声は俺にしか聞こえないらしい。

 

 

俺は、なんで此処にいるのか知らない。

知らなくてもいいと思ってる。

 

普段の俺は、異様に陽気で時々自分でも途惑うくらいだ。

悪戯して、大きく口開けて笑って、正直しんどい。

 

自分を押し殺してまでなんで俺は、存在しているんだろう。

 

 

ねぇ、叫んでも無駄だよ。

 

無駄なんだ。

 

 

だって、誰にも届いてないんだから。

 

届かないんだ。

 

 

唯一届いている俺は、此処から動く気なんてないしさ。

 

だって、誰も動かない。

 

 

 

待っていても無駄なんだ。

 

 

 

昔、読んだことがある。

 

 

 

『蜘蛛の糸』それと『青い鳥』

 

 

 

蜘蛛の糸は、切れた。

 

 

青い鳥は、逃げた。

 

 

 

 

 

 

救いってなんなんだろう。

俺が天を仰いでも誰も助けてはくれない。

 

 

ほら、今日もまた声が聞こえる。

 

 

 

俺は、此処で何を待っているんだろう。

 

 

 

 

ナルト語りです。

人一倍寂しがり屋なナルト君なのです。

何もかも諦めてるようで、実は何かに縋りつきたいのです。

 

4へ